今では千葉ニュータウンを中心に東京へのアクセスも便利な街並みを新市街とし、かつてはJR成田線沿線を中心に栄えた旧市街を擁する千葉県印西市。
ちょうど新市街を象徴するような日本では最大級の面積を誇るホームセンターの裏手から旧市街に抜ける一本道……
ホームセンターの裏手にはスイミングスクールや地域の学校へ給食を運ぶ給食センター、映画館等がありやや人気のある場所ですが、旧市街に向けて10分も歩けば辛うじて道は舗装され、一見、高台のようになっているが軽自動車が行き違うだけで結構一杯一杯なほどに道は狭く、4階建のビルぐらいの高低差はあろう下は見渡す限りの水田と畑、無いと困るので申し訳程度に付けた貧相なガードレールがある高台というより崖っぷちになったような道を抜け、道の左右を鬱蒼とした樹々が覆う緩く長い下りの坂道を抜けるとやっと民家が何軒か見えるような淋しい道があります。
その淋しい道の辺りに点在する結構大きめな農家は、かつてその地域では大変に栄えていたような話を聞きますが、跡取りが事業に失敗したのか?遊んで持ち崩したのか?えらい借金を作ったとの事で首を括ってしまったという話でした。
その後、その農家は没落し、農家のあったその場所で商売を始めようとすると火事、盗難等の災難に遭い、最後にその地に住んだ家族は強盗に押入られて殺害されたと聞きます。
自分が中学生ぐらいの時には、その道から少し離れた場所に語られていた家があった廃墟が遠目に見えましたが、今はどうなっているのか……。
ひょっとすると、幼い我々が人気の無い淋しい場所に立ち入って事故や事件を起こしたり巻き込まれたりせぬように大人が言い包めた事かもしれませんが、遠目に見えた廃墟は確かに何やらモヤッとする気持ちの悪い雰囲気を醸していましたし、その場所から2km圏内には、かつて火葬場として使われていた目撃談をよく聞く場所、戦没者の霊が徘徊すると言われる老人ホーム、グランドで上半身の無いランナーが目撃された中学校、そして、地元のヤクザに一家皆殺しにされた家と呼ばれる空き家等が点在しているので強ち嘘ではないのかもしれません。
但し、現在は開発により交通事情が変わった為、その道は国道、県道、市道といった類の道ではなく、地域に住んでいるお宅のみが使うような生活道路となり通り抜けが出来ず、道の途中で道路が寸断されていると聞きます。