亡くなる直前に会いに来た友人 30代女性
これは私が20代の頃に経験した話です。
私には幼いころから親しくしていた友人がいたのですが、友人は20代の若さでくも膜下出血を患い、意識が戻らないままの入院生活を送っていました。
私は休日など暇を見つけては彼女のお見舞いに行っていたのですが、意識の戻らない彼女はやせ細り、いつ亡くなってもおかしくないという状態にまで容体が悪化していました。
そんなある日、私は出勤するために朝5時に起き、支度を行っていました。
すると庭の方から何か音が聞こえてきます。
私の家は庭に玉砂利がひいてあり、その上を歩くと音がするのですが、丁度誰かがゆっくりと玉砂利の上を歩いているような音でした。
「もしかして泥棒…?」と思った私は、庭の見える和室に移動し、その人物を確認することにしました。
しかし、和室に入った私の目に飛び込んで来たのは驚きの光景でした。
和室には窓の手前に障子があり、その障子に庭を歩く者の影が映っていたのですが、その影が入院中の友人そっくりなのです。
背格好や髪の長さ、歩き方まで彼女そのものなのです。
しかし、彼女は入院中で意識も戻らない状態。
こんな時間に私の家に来るとは到底思えません。
そう考えるとその影の正体を見てしまうことがなんだか怖くなり、障子を開けることを躊躇していると、突然自室からケータイの呼び出し音が聞こえてきました。
慌てて部屋に戻り、電話に出ると友人のお母さんからの電話でした。
友人がつい先ほど息を引き取ったというのです。
「あれはやはり彼女だったんだ…」と彼女のお母さんの声を聞きながら、私は先ほどの障子の影はそういうことだったのだろうと思いました。
その後、電話を終えた私はもしかするとまだ彼女がいるかもしれないと思い、和室へ移動したのですがもうそこには彼女の影はありませんでした。
その時にようやく彼女がこの世からいなくなってしまったということを実感し、私は大声をあげて泣いてしまいました。
今でも彼女の命日が近くなるとあの影のことを思いだし、彼女を偲んでいます。
最初で最後の心霊体験 40代女性
心霊体験、といってよいのか微妙ですが、不思議な体験をひとつご紹介します。
私は霊感は全くないと自負しており、普段から「ミエル」人ではありません。しかと見たことはありません。
数年前、広島市内の某ホテル(比較的ランク上のホテル)で演奏の仕事が入り、本番前の支度を整えるために、お手洗いに行きました。
ホテルの部屋ではなく、宴会場のフロアにあるお手洗いです。その時黒い洋服を着ていたのですが、個室に入り、座っていると、何やら膝から白い煙のようなものが立ちのぼっていました。
自分から湯気のようなものが立ちのぼっているのが見えるのですが、季節は夏でしたが、その時もちろん汗が湯気になるほど体温が上がって居た訳でもないし、ホテルの室内でエアコンがきいたお手洗いで異常にトイレが寒かった訳でもありません。
何なんだこの煙は、と思って自分の手のひらを見ると、指先からも同じように白い煙のようなものが立ち上っていました。
その時、「ああ、これがもしかすると”オーラ”っていうものなのかも」と思いました。
見えるはずのないものがこんなにはっきり見えたのは初めてで、霊なんて見たことないのに恐がりな自分が、その時は生まれて初めて「霊もこんな感じで見えるなら、あんまり怖くないかもね」と思ったことを覚えています。
後にも先にも、自分からあんな煙が立ち上るのを見たことはありません。
数年前のことですが、今でもはっきり覚えています。
これもひとつの心霊体験?でしょうか。