ランドセルを背負った少女 投稿者:20代女性
転校初日、Aさんは学校の中がどうなっているのか分からず、職員室を探して彷徨っていました。
もうとっくに授業が始まっている時間で、自分の他に生徒の姿はありません。
途方に暮れていると、突然目の前を赤いランドセルを背負ったおかっぱの少女が横切りました。
職員室の場所を聞こうとしたのですが、少女はこちらを無視して、あっという間に廊下を横切っていってしまいます。
無視するなんて…とAさんは廊下で1人、腹を立てました。
それから数か月経過して、Nさんという親友ができたAさんは、天気の悪い放課後に先生のコピーを手伝っていました。
途中まで順調だったその作業。
ところが突然紙切れのランプがついて、印刷が止まってしまったのです。
先生に報告すると、新しい紙は地下の倉庫にしかないとのこと。
2人は悪態をつきながらも、暗くじめじめとした地下の倉庫まで、重い紙の束を取りに行きました。
なぜ自分達がこんなことを…とぶつぶつ言いながら2人で紙を持ち上げた瞬間、半開きにしていたドアがいきなり閉まり始めました。
そして扉が完全に閉まる寸前…その隙間をすり抜けて、おかっぱの少女が出ていくのがAさんには分かりました。
音をたてて閉まった扉。
外から鍵をかけられたのか、ノブが回りません。
高い天井の近くに唯一ある小さな窓から、雷の閃光が差し込み、大きな雷鳴が2人に降り注ぎます。
悲鳴をあげ、開けてと叫びながらドアを叩き続ける2人。
異変に気が付いたのはすぐのことでした。
いつの間にか真っ赤な手形が壁や天井に浮かび上がり、そこから赤い雫が落ちていたのです。
2人はいよいよパニックになり、必死でドアを叩きます。
泣きそうになりながらドアノブを強くひねったその時、一際大きな雷鳴とともにドアが開きました。
ひどい目にあったと憤慨しながら廊下の奥を見た時、そこにあった姿見の前に小さな人影が立っているのを見つけました。
Aさんが転校初日に声をかけ、無視されたあの子です。
いたずらをされたと思い込んだ2人は憤慨しながら、強い口調で責め立てました。
しかし反応はありません。
腹をたてたAさんが思わず強く少女の腕を掴むと…まるで納豆のように、その肌から糸が伸びました。
少女の肩か細く震え、泣き声が聞こえたのはその時でした。
異様なものを見た2人は、言い過ぎたと謝罪します。
少女は肩を震わせ、顔を両手で覆いながら、言いました。
「遊びたかったの。だけど今日は塾があるから、帰らなくちゃ。でも、楽しかったよ。」
ありがとう、と低い声で言った少女の手が、顔を離れました。
いや、正確には離そうとしましたが離れませんでした。
まるで接着剤でくっつけてしまったかのように少女の顔の皮膚が手のひらにべっとりとくっつき、人としてありえない長さまで伸び始めたのです。
顔じゅうの皮膚が真横に無理やり引っ張られ、目や口はまるで裂けたかのよう。
薄暗い地下廊下に、少女の甲高い声が響き渡ります。
目の前で繰り広げられる光景に、眩暈がした時…少女はふいに踵を返し、姿見の中に入っていきました。
徐々に遠くなる笑い声。それが完全に消えた時、姿見には大きくひびが入りました。
あの少女が一体何者だったのか…答えはいまだに出ないそうです。
不幸を背負った男 投稿者:20代男性
わたしの友人に、やたらと事件・事故を目撃する人がいます。
いつも本人は渦中にはないものの、交通事故、スポーツの試合での大怪我、民家や雑居ビルの火事など、20数年の人生とは思えないほどの数の変事に遭遇しています。
初めのうちは、
「お前が起こしてるんじゃないのか?」
とからかっていたわたしたちも、昨年彼の最愛の妹が事故死した瞬間を一緒に目撃してからは、恐ろしくて彼を避けてしまうようになりました。
風の噂によれば、人混みが苦手だったはずの彼は、最近人の多いところに好んで出かけるようになったとか…。
それがわたしたちには、妹を喪った彼がなるべく大勢を巻き込んで自殺しようとしているように感じられて、怖くてならないのです。
青森県にある幽霊スポット月光の滝 投稿者:30代女性
青森県に月光の滝と言う幽霊が出ると有名な場所があります。
友達と4人でドライブしながら行きました。
とても不気味でいかにも幽霊がいそうな所でした。
何か嫌な予感がしたので帰りたいと言っても帰ってくれません。
私はその場所に近づかず、車の近くにいました。
すると、私たち以外誰もいないはずなのに、男か女か分からないような叫び声が聞こえました。
慌てた3人は車の方に向かって一目散で走ってきました。
そのうちの1人が何かにつまずいて転びました。
下を見ると、錆びついたカマが落ちていて、転んだ人は足をかまで切ってしまい、血が出ていました。
怖くなって車で逃げましたが、あのカマが怖くて忘れられません。
人が置いたものなのか、幽霊が置いたものなのか、本当に不気味です。
白髪交じりで白装束の女 投稿者:30代女性
本当にあった出来事なのですが、まだ子供が小さかったので私は夜中の授乳で何度か起きていました。
私は寝ている間に子供が誰かに連れて行かれそうな夢を見ていて、かなりうなされていたのを覚えています。
急にハッとして目が覚めると、壁に掛けていたカレンダーがドサッという音と共に床に落ちていました。
誰かいるような気配を感じたので、周りを見渡すと、白髪の混じった長い髪を後ろで1本に束ね、白装束を着た女の人がすぐ横に正座していました。
夜中の出来事で、私は恐怖のあまり泣いてしまいましたが、部屋の電気をすぐに付けるとスーッと消えていなくなってしまいました。
その女の人が誰かも分かりませんが、きっと幽霊というものを見てしまったんだと思いました。
しばらくは寝つけず、その日は朝まで起きていました。本当に怖かったです。