猛スピードで追いかけてくる老婆 投稿者:40代男性
私が大学生の時のバイク仲間が体験した話です。
バイク仲間のAが一人でツーリングに出かけた時のことです。
深夜3時頃、三重県の山奥を走っていたそうです。
山の中なのでカーブが多く、外灯もなく視界も悪かったので、ゆっくり走っていました。
あるカーブを曲がり切ったときのこと、腰の曲がったよぼよぼの老婆が立っていました。
近くに民家などない場所、深夜3時という時間、不審に思いながら横を走り抜けました。
そして、何となくバックミラーを見ると、人とは思えないような形相で追いかけてくる老婆が写っていました。
バイクの速度が遅いのかと思いスピードメーターを見ると、50キロを示していました。
Aは半狂乱になりながらアクセルを回し山道を猛スピードで走ったそうです。
気がつくと平坦な道に出ており、老婆の姿もなかったそうです。
入院先の病院 投稿者:40代女性
怪我をして入院した事がありました。
ただ、足に怪我をしただけで、身体には何処にも悪い所はありません。
ですので、入院生活が長引いて、怪我の具合が良くなって来ると、夜などは、消灯時間に眠れるはずもなく、私はすっかり退屈していました。
友達が、小さなテレビを持ってきてくれてからは、消灯後こっそりと枕元に持ってきて、テレビを見ていました。
そのうち夜中になると、
「助けてくださーい!」
と、女性の声が小さく聞こえる事に気が付きました。
耳をすますと、どうも二階の病棟から聞こえます。
昼間は聞こえないのにな、と思いながら、とくに何をする事もなく過ごしました。
ある夜私はトイレに行きたくなりました。
夜中に病院の廊下を一人で歩くのは、本当に嫌なものですが、どうしても我慢出来ず、私は松葉杖をついて病室を出ました。
「助けてくださーい!」
また、聞こえています。
この声、どこから聞こえるのかしら?
二階に続く階段の前を通りかかった時、私は、階段に近付いて声がどこからするのか、確かめようと耳をすませました。
その時、
「助けてくださーい!」
と、私のすぐ後ろで声がして、慌てて振り向きましたが誰もいません。
トイレに行くどころの話ではなくなって、私は一目散に病室に戻ると、ベッドに入って、ひたすら朝を待ちました。
山神様 投稿者:20代女性
友人の実家の話。
友人は田舎の田舎、というかんじの山奥が出身地だ。
携帯電話の電波もそう簡単には入らないような場所である。
さて、そんな彼女の敷地内には一つの風変わりな石が祭られている。
彼女曰く「山神様」を祀っているらしい。
昔はお祭りもしていたらしいが、今では親戚の人々が手を合わせる程度だそうだ。
ここで私はちょっとした豆知識を思い出した。
「山神様は女神であることが多く、男性が恩恵をうけることが多い」
ということだ。
そのことを彼女にきいてみると
「みたいね」
と当たり前のように返事をした。
聞いてみると、記録に残っている彼女の実家で生まれたものはみな男だということだ。
例えば父親、そのまた父親、後継ぎ以外の兄弟もみんな男。
遡っても女の子が生まれて事はないらしい。
「でも、君は?」
「待望の女の子だったらしいよ」
初めて生まれた女の子に、親戚一同みんな喜んだらしい。
しかし、みんなどこか不安に思っている。
山神様はもういないのではないかと。
誰も居ないはずの校舎 投稿者:20代女性
私の出身中学校での話です。
夏休みに私の友人を含む女子バレー部の面々がグラウンドでランニングをしていたとき、友人はふと校舎を見上げました。
暗い校舎のなかに、ちらりと、私たちが普段使っている教室とは別の空き教室に女子の姿が見えました。
他の数人も同じように見かけたので、
「ああ、補講か部活で来たのだろう」
と考えたそうで、顧問の先生にその話をしたところ、顧問の先生が
「今日は校舎には生徒はいない」
と言うのです。
驚いてそんなはずはないだろう、と職員室にいた他の先生に聞くと、そもそも今日は教室の鍵はすべてかかっているから、生徒は教室には入れない、とのことでした。
あの時友人たちが見かけた女子生徒は一体誰だったのでしょうか。