いないはずの彼女 投稿者:20代男性
格安の中古車を購入しました。
値段の割に状態もよく、気に入って毎日深夜に一人でドライブしていました。
ある日のドライブ中携帯が鳴ったのでコンビニに入り、友達からだった電話にコールバックすると、
「彼女も一緒なのかよ」
と言われました。
僕に彼女はいません。
そう言うと、友達は笑って、
「今度紹介しろよ」
などと言って切ってしまいました。
後日聞いてみると、電話の背後で女の声がしたそうです。
ドライブ中に似たようなことが数回あり、さすがに気味が悪くなってドライブはやめたのですが、もう手遅れかもしれません。
自室にいる時に、家族が
「彼女が来てたなら挨拶させてよ」
と言ってきたのです。
車から部屋まで、ついてこられてしまったようなのです。
抜け殻になってしまった友人 投稿者:30代女性
わたしの地元には旧東海道の関所があり、そこには、かつて見せしめの為に並べられた晒し首のために「首塚」が建てられていました。
当然、心霊スポットとして名高く、年中通して肝試しに訪れる人が居るのですが、わたしはある友人の体験談を聞いてからそこには絶対近づかないと決めています。
「首塚」は、地元では「首狩り神社」という別称で呼ばれていて、神社の裏には生首のおぞましい絵が描かれているとか、行きと帰りで階段の段数が違うとか、目の前で消える幽霊が出るとか、様々な噂話がありましたが、それを面白がって
「じゃあ、肝試しに行こうぜ!」
と出掛けた彼の悲劇を思うと、やはり、心霊スポットには面白半分で近づいてはいけないのだと思い知らされます。
彼はその日、友人と3人でドライブがてら、首狩り神社に向かいました。
“あの時、引き返しておけばよかった”
峠のトンネルを抜けると途端にぐっと気温が下がった気がして、
総毛立ったものの、男3人。
下手なことを言って後々までバカにされるのは癪だったので、彼は平気な振りをして車を降り、神社までの道を友人たちと歩き出しました。
薄気味悪い霧が出ているものの、何かと遭遇することもなく、特別何かが起こる訳でもなく、神社の周辺をうろつくだけで肝試しを終えた3人は
「なんだ、何もねーじゃん」
と車に戻り、再び峠のトンネルを抜けて街に戻ろうとしていました。
その時。
運転席の彼はバックミラー越しに、後部座席に座った友人の一人が白い服を着た青白い顔の女性に見えて急ブレーキを踏みました。
「なに!?」
振り返ると、
「なにが!?」…と、
急ブレーキに驚いた友人2人が驚き半分、怒り半分で「危ないだろう!」とブツブツ言っています。
後部座席には見慣れた友人がひとり。
助手席の友人もいつも通り。
…なんだ、気のせいか。
「悪ぃ、なんか気のせいだったみたい」
彼は苦笑いして、もう一度運転を始めました。
…でも、やっぱり何かおかしいのです。
車内の空気がジメっと暗く、さっきから鳥肌がおさまらない。
彼は気分を変えようと、後部座席の彼に話しかけました。
「なあ、結局、神社で何も見なかった訳?」
返事がない。
「おい、寝ちゃったのかよ?」
助手席の友人が振り返って後部座席の友人を見ると、
魂が抜けたように泡を吹いて気絶していました。
急ブレーキを踏んでから、ほんの束の間の出来事だったそうです。
驚いたふたりは急いで病院に向かったそうですが、その後、気絶した友人が何度検査を重ねても「医学的見地では」異常がなく、それなのに、意識は取り戻したものの未だその友人は抜け殻のような、生きる屍のような、言葉を喋ることもなく、視点も合わない、別人になってしまったそうです。
先輩が来た理由は 投稿者:20代女性
雨が降ると思い出します。
部活の先輩が、家族のお見舞いのために病院に行く途中、事故にあって亡くなった日も雨の日でした。
翌日、訃報を受けて悲しみにくれる部室の中で、わたしは悪い冗談だと思っていました。
わたしはその前日、ちょうど事故が起こったくらいの時間に、先輩に会っていたんです。
雨の中で傘もささずに立っている先輩が自宅の窓から見えたので、わたしは手を振って「先輩!」と呼びかけたのです。
すると先輩は、ゆっくりとこっちを向き、わたしにむかって何かをつぶやきました。
特別仲のよかったお前にお別れを言いに来たんだと言ってくれる人もいましたが、それは違います。
あのとき先輩がつぶやいた言葉は、「来いよ」だったのですから。
バラバラになった女性 投稿者:30代女性
これは友人が体験した話です。
その日はたまたま寝坊をしたらしく、遅刻しそうだったのでいつものルートではなく、別のルートで運転して会社に行こうとしたそうです。
裏道をぬけてちょうど踏切にあたり、車を停止しました。
遮断機がおり、列車が通り過ぎるのを待ちながらふと奥に見えるホームに目をやった途端、髪の長い女性がホームへ飛び込み凄まじい音とともに電車が止まりました。
友人は何が起こったのか一瞬目を疑いながら車を降りました。
駅のホームが騒然となっている中ふと遮断機の横の草むらに目をやると跳ねられた女性の頭部だけが転がっていたそうです。
と、次の瞬間女性と目が合い 頭部だけの状態で「何見てんだよ 」って恨めしそうに言いました。
友人は怖くなってすぐに車に戻り会社に向かいましたが数日脳裏に焼きついて夢にうなされる日々だったそう。
幸いその後不吉なことは起こらなかったようですが瞬間的にバラバラになった体はまだ意識が残っているんだととても怖くなりました。