あれは高校二年の夏休みの事でした。
遊ぶお金がほしいからと父親の友人のトラックの運転手をやっているおじさんに頼んで仕事のお手伝いとしてバイトをしていました。
夜22時くらいからスタートして工場から荷物を運びスーパーに届ける、自分は基本助手席に座ってついたら荷物の持ち運びを手伝っていました。
深夜二時くらいになり次の工場に向かう途中一軒の家を見かけました。
二階建てのちょっと年季の入った家でしたが、とりわけそんなに気にかかるような家ではなかったのですが、なぜかその家から目が離せず、通りすぎる際に二階のベランダを見てみると、ひとりの女の子がぬいぐるみをもって立っていました。
こんな深夜にとおもい、不気味に思いましたが寝れなくて出てきたのかなとか勝手に思い込みました。
工場からの帰りその道をまた通りました。
どうしても女の子の事が気になっておじさんに頼んで家の前で止めてもらいました。
するとさっきの少女がまだベランダで立っていました。
おじさんに「この時間に女の子がベランダにいるんだけど」と伝えおじさんにみてもらいましたがおじさんは「どこにもおらんぞ」と一言。
もう一度ベランダのほうを見てみると女の子がこちらをみてにやりと不気味に笑うのが見えました。
怖くなりそこからすぐに立ち去りました。
それから手伝うのをやめてその家をみることはありませんでしたがあの女の子が何者だったのかこの世のものではなかったのか、最後に笑ったのはなんだったんだろうか。
あの不気味に笑う顔を未だに忘れることができません。